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ドキュメンタリー映画「よみがえる琉球芸能 江戸上り」、桜坂劇場で上映へ

ドキュメンタリー映画「よみがえる琉球芸能 江戸上り」の一場面

ドキュメンタリー映画「よみがえる琉球芸能 江戸上り」の一場面

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 那覇・桜坂劇場(那覇市牧志3、TEL 098-860-9555)で7月16日より、琉球王朝時代に約200年にわたって行われた「江戸上り」を復元しようと奮闘する人々を追ったドキュメンタリー映画「よみがえる琉球芸能 江戸上り」(本郷義明監督)が上映される。

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 「江戸上り」は、徳川幕府へ派遣された琉球王府の朝貢使節で、薩摩藩の琉球侵攻後の1634年から幕末の1850年まで間に18回行われた。当時琉球を支配していた薩摩藩が幕府にその権勢を示すという意味合いもあった。使節には御座楽(うざがく、琉球王国の室内楽)演奏家や琉球舞踊家も含まれており、特に琉球国王の行列が行進する際に吹奏された道中楽「路次楽(ろじがく)」は将軍や幕閣の前でも披露され、江戸上りの経路にあった地域の農村芸能にも影響を与えたといわれる。

 民族音楽研究家の比嘉悦子さんや琉球舞踊の又吉靜枝さんを始めとする人々が、琉球王国が江戸幕府へ派遣した使者「江戸上り」の芸能を現代に復活させようと、180年前の絵巻物を基に当時の音楽、舞踊、衣装、小道具を復元。同作品では、「160年ぶりの江戸上りの再現」として、日本橋三越劇場(東京都中央区)で舞台公演を行うまでを描く。撮影は昨年7月から今年3月まで約9カ月に及んだ。

 同作品宣伝プロデューサーの真喜屋力さんは「江戸上りは屈辱の歴史と否定するのがこれまで一般的だったが、実は琉球の芸能文化のすばらしさを示す好機として捉えていたウチナーンチュの誇りがあったのでは、というスタンスで本作品は作られた。実際に江戸上りに影響された芸能が日本各地に残っていることからも、それは見て取れる」と話す。

 初日の16日には特別イベントとして初回上映前に、復元された御座楽の実演奏と関係者によるトークショーを開催。17日は早稲田大学・琉球沖縄研究所客員研究員の上里隆史さんによる歴史講話「江戸上りのアイドルたち」も予定する。

 真喜屋さんは「琉球文化と芸能の素晴らしさを本土に伝えようとした江戸上りの人々のプライドと、それを現代に復元しようとする人々の熱い思いがシンクロする、すてきな映画。ぜひ見てほしい」と自信を見せる。

 入場料は、一般=1,600円、学生=1,300円、小中学生=1,000円、桜坂劇場友の会会員=1,000円。7月26日まで。

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