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那覇で漆芸家・原田城二さんの個展-大震災の鎮魂・再生を込めたびょうぶ作品も

「創生」と名付けられたびょうぶ作品は、「鎮魂の思いと、東北人の再生と新しい創造への願いを込めた」という

「創生」と名付けられたびょうぶ作品は、「鎮魂の思いと、東北人の再生と新しい創造への願いを込めた」という

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 那覇・久茂地のギャラリー「青砂(せいさ)工芸館」(那覇市久茂地3、TEL 098-868-9338)で3月8日、漆芸家・原田城二さんの個展「原田城二 漆芸展」が始まった。

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 原田さんは1949(昭和24)年、京都生まれ。東京でグラフィックデザインなどを手掛けた後、秋田で漆芸を学ぶ。漆制作のために良い気候条件を求め13年前に沖縄へ移住。本部町に工房を構え精力的に創作活動を続ける。

 今回、「漆で淡い色や柔らかい色をどう出せるか、漆の可能性を追求した」という。皿、深鉢、コップ、パスタボール、小箱、弁当箱、盆などのほか、油絵や日本画の作風で描かれた漆絵、びょうぶ、ついたてなどの作品も展示する。食器類は、木材以外にヤシの実や皮、使い捨て紙容器、たこ焼き用経木(きょうぎ)舟皿など、さまざまな素地(きじ)を使い仕上げた。

 中でも「創生」と名付けられたびょうぶ作品は、「東日本大震災で巨大な津波が町を襲う光景が目に焼き付いて離れず表現せずにいられなかった」といい、完成までに約8カ月を要した。原田さんは「大波の中から飛び上げる龍のすさまじいエネルギーのように、鎮魂の思いと、東北人の再生と新しい創造への願いを込めた」と話す。

 「現在も漆の可能性を探っているところで、漆の堅苦しいイメージを払拭(ふっしょく)したい。漆でこんなことができる――漆の良さを使って楽しんでほしい。会期中は常駐しているので、気軽に声を掛けてほしい」とも。

 開催時間は10時~20時。入場無料。会期中無休。展示作品は販売も行う。

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