1年前の10月1日に「戦力外通告」された元プロ野球選手が10月1日、故郷の沖縄でダイビングショップ「沖縄ダイビング20」(読谷村、TEL 080-2723-2020)をオープンし夢を実現した。
高校野球の名門・沖縄県立中部商業高校から亜細亜大学を経て北海道日本ハムファイターズで活躍した糸数敬作さん。「それは昨年の10月1日のことだった」と話す。
球団からの戦力外通告を受け、12球団合同トライアウトへ参加した。「もしトライアウトで移籍先が決まれば現役を続けるつもりだった」が、移籍先が決まらなければ故郷の沖縄に帰る気持ちも心の中にあったという。
2011年、糸数さんは故郷の沖縄・恩納村の海に潜って「あらためて沖縄の海の美しさに魅せられた」という。沖縄の海がプロの厳しい世界で戦い続ける糸数さんを「優しく包んでくれた」と当時を振り返る。
球団職員としての話もあったが「心は決まっていた」と糸数さん。1年間の準備期間を設定しダイビングショップの開業に向けて動き出した。県内のダイビングショップで働きながら研修し、オペレーションをマスターした。
「開業は10月1日と決めていた」と糸数さん。戦力外通告されたことを一つの契機として店を開いた。「野球を教えてくれた多くの人や仲間、ダイビングショップの運営を教えてくれた人々に感謝している。その人たちのためにも第二の人生を実り大きなものにしていきたい」と意気込む。