那覇市歴史博物館で「清明祭とお墓」展-重箱料理や瓦証文なども展示

一族の繁栄を願って墓室に納められた「墓中符(ぼちゅうふ)」、墓の位置などを瓦に書き記した「瓦証文(かわらしょうもん)」、17世紀に作られた石製の厨子甕(ずしがーみ)なども展示する

一族の繁栄を願って墓室に納められた「墓中符(ぼちゅうふ)」、墓の位置などを瓦に書き記した「瓦証文(かわらしょうもん)」、17世紀に作られた石製の厨子甕(ずしがーみ)なども展示する

  • 0

  •  

 那覇歴史博物館(那覇市久茂地1、TEL 098-869-5266)の企画展示コーナーで3月28日より、「清明(しーみー)祭とお墓展」が行われている。

[広告]

 清明は、4月上旬から中旬にかけての二十四節気の一つである「清明」の季節のことで、首里・那覇を中心とする沖縄本島ではこの時期に、祖先の墓に親せき一同が集まりごちそうを持ち寄り一族の繁栄や長寿を祈る伝統行事「清明祭」を行う。

 会場では、「清明祭」の始まりや儀式の様子、墓の形式や構造など、写真や資料などを使って紹介する。清明祭の開催を知らせる新聞広告や、祭祀一般の執り行い方や心構えを記した「御祭之時御儀式帳(おまつりのときおぎしきちょう)」、重箱料理のレプリカ、1960年代の清明祭の写真、墓の敷地確定の申請書、一族の繁栄を願って墓室に納められた「墓中符(ぼちゅうふ)」、破損しないように瓦に書き記した「瓦証文(かわらしょうもん)」、人骨を納めた17世紀に作られた石製の厨子甕(ずしがーみ)などの資料のほか、那覇市内の墓地地域の上空写真や沖縄の歴史上の偉人の墓写真なども展示する。

 同館学芸員の外間政明さんは「清明祭、シーミーは祝いの行事。18世紀ごろ、もともと中国の帰化人が行っていたが、祖先を敬う『孝』の考えが好まれ首里の士族層を中心に取り入れられ広く行われるようになった」と話す。さらに、「沖縄の墓前祭や墓参りは、旧暦1月16日に行われるあの世の正月『十六日(じゅうるくにち)』と、旧暦7月7日の七夕に行う墓参りの二つだった。新たにシーミーが加わり浸透したことで、十六日の行事は簡略化されるようになり、墓前祭としての行事は清明祭に取って代わられることになった」と、その歴史について語る。

 「県内で先週の土日からシーミーが始まった。口伝えで行われているシーミーだが、この機会に展示会を通してシーミーやお墓についてその意義を改めて考えてもらえれば」(外間さん)とも。

展示時間は10時~19時。木曜休館。入館料は、一般=300円、中高生=200円、中学生以下=100円。5月14日まで。5月10日は、那覇市文化財調査審議会委員・崎間麗進さんによるギャラリートーク「沖縄の行事・法事あれこれ」を行う。

那覇市歴史博物館慰霊の日に合わせ、「沖縄戦-那覇での戦闘」展-歴史博物館(那覇経済新聞)

  • はてなブックマークに追加
エリア一覧
北海道・東北
関東
東京23区
東京・多摩
中部
近畿
中国・四国
九州
海外
セレクト
動画ニュース