首里城公園(那覇市首里金城町1)の御庭(うなー)で9月13日~15日、「中秋の宴」が行われた。最終日は敬老の日とあって家族連れなど多くの観覧者が訪れ、幻想的に浮かぶ首里城とともに王朝時代の厳かな「宴」を満喫した。
「中秋の宴」は、琉球王朝時代、中国皇帝の使者である「冊封使(さっぽうし)」を歓待するために開かれた「冊封七宴(さっぽうしちえん)」の一つを再現したもので、旧暦の8月15日の十五夜・中秋の名月の下で行われたという。同園では、「いにしえの歴史を今に感じてもらおう」毎年開催しており、今回で15回目。
ライトアップされた首里城正殿前の御庭(うなー)に設けられた特設ステージで、琉球古典音楽や琉球古典舞踊、組踊などが披露された。初日は、玉城流扇寿会と玉城流華豊の会が「四つ竹」や「かせかけ」など華やかな紅型の衣装と優雅な踊りのほか、金城清一組踊琉舞道場による組踊「万歳敵討(まんざいてきうち)」が披露された。14日は、首里伝統芸能文化協会による古典舞踊や、首里城公園の行事に参加する国王・王妃の選出大会などが開かれ、国王に山川翔輝さん(那覇市、22歳)と、王妃に宮里幸代さん(浦添市、23歳)が選ばれた。
最終日は、「国指定重要無形文化財琉球古典音楽保持者」(人間国宝)の島袋正雄さん、照喜名朝一さんによる独唱のほか、今回、同園で初めて上演された伝統組踊保存会による組踊「義臣物語(ぎしんものがたり)」や、浦添市琉球舞踊協会による「かぎやで風」などが披露され、会場に詰め掛けた多くの観覧者を魅了した。