「那覇大綱挽と10・10空襲」展-「那覇四町綱之図」初展示も

昨年寄託された「那覇四町綱之図」は、19世紀ごろに行われた綱引きの模様が詳細に描かれ、歴史的にも価値の高い作品だという

昨年寄託された「那覇四町綱之図」は、19世紀ごろに行われた綱引きの模様が詳細に描かれ、歴史的にも価値の高い作品だという

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 那覇市歴史博物館(那覇市久茂地1、TEL 098-869-5266)で10月3日から開催されている「那覇大綱挽と10・10空襲」展で、琉球王国時代の綱引きを描いた貴重な絵図「那覇四町綱之図(なはゆまちつなのず)」が初公開されている。

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 展示では、戦前の那覇と大綱引き、旗頭と綱引き装束、10・10空襲と那覇の壊滅、那覇の復興、復興期の綱引きと旗頭製作、那覇大綱挽の復活などをテーマに、資料や写真パネルで構成。うちわなどの大綱挽記念グッズをはじめ、1995年に「世界一長いわら綱」としてギネスブックに登録された認定証、当時の平良良松市長の那覇大綱挽への熱い思いを伝える新聞、旗頭の模型などの資料も幅広く展示する。

 そのほか、昨年寄託された「那覇四町綱之図」(作者不詳、19~20世紀初頭製作)は、中央に綱を配しそれを囲むように綱引き行列である「スネー(備)」が描かれ、華やかな衣装をまとった遊女達や白い衣装の太鼓打ち、ほら吹きの少年、各地域の旗頭、見物客などがイキイキと写されている。これまで那覇大綱引きの様子を伝える『親見世綱之図(おやみせつなのず)』は写真で残されるのみで、「本絵図は歴史的にも価値の高い作品」としている。

 同館学芸員の外間政明さんは「那覇大綱挽は10・10空襲を忘れないため、そして市制50周年を記念に始まったといわれていたが、10・10空襲に言及した文献が見つからなかった。改めて調べてみると10・10空襲の日に決めたのは、当時の平良市長であったことが新聞の記事でやっと分かった」とやや興奮気味に話し、「那覇大綱挽に込められた平和希求の思いと那覇復興への願いを改めて感じてもらえたら。今週末、那覇大綱挽が行われるが、初展示となる『那覇四町綱之図』を祭り参加者にぜひ見てほしい」と来館を呼びかける。

 展示時間は10時~19時。木曜休館。入館料は、一般=300円、中高生=200円、中学生以下=100円。今月29日まで。同展のパンフレット(350円)も販売する。

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