那覇で美術家・伊江隆人さん個展-琉球石灰岩を使った作品など70点展示

木版の代わりに発泡スチロールを用い琉球石灰岩の風合いを表現した版画作品、掛け軸、タペストリー、花器のオブジェなども展示

木版の代わりに発泡スチロールを用い琉球石灰岩の風合いを表現した版画作品、掛け軸、タペストリー、花器のオブジェなども展示

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 リウボウ7階美術サロン(那覇市久茂地1、TEL 098-867-1291)で1月2日より、美術家の伊江隆人(いえ・りゅうじん)さんの「自然賛歌・方言 伊江隆人展」が行われている。

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 伊江さんは1947(昭和22)年沖縄生れ。1971年、「珊瑚礁の岸壁に波が激しく怒り叫ぶ」で毎日書道展初入選。以後、1984年、ホアン・ミロ国際展(バルセロナ)をはじめ数々の国際展に出品。1988年、ニューヨークセントラルパークの路上で17日間にわたり行った4,320メートルの布の巻物に墨のパフォーマンスは大きな話題を呼んだ。ルイ・ヴィトン2003イヤーエンドパーティーの招待を受け、会場の壁4面と床に作品を展示したほか、国内外で精力的に活動を続けている。

 会場では、琉球石灰岩や貝、沖縄の新聞紙、布などを素材に、書と彫刻などを組み合わせたミクストメディア作品をはじめ、木版の代わりに発泡スチロールを用い琉球石灰岩の風合いを表現した版画作品、掛け軸、タペストリー、花器のオブジェなど約70点を展示する。作品には、沖縄の古い歌謡集である「おもろさうし(おもろそうし)」の中から沖縄の豊かな自然をうたった一節や、ざん(ジュゴン)、あーまん(ヤドカリ)など沖縄の生き物の方言名を、自作したアダンの根の筆などで躍動感あふれる筆跡で、自然への「賛歌」を表現したものが多い。そのほか、Tシャツ、カレンダー、スカーフなどのグッズも販売する。

 伊江さんは「琉球石灰岩は石なのに温かみがあり、紙と同じように墨の濃淡がだせる面白い素材。それを学生時代に発見して以来よく使っている」と話す。「沖縄には『おもろ』にうたわれていたような素晴らしい自然があった。現在の自然環境は、おかしなことになっていっている気がする。作品を通してそれに少しでも気付いてもらえたら」(伊江さん)とも。

 開催時間は10時~20時30分(最終日は17時まで)。入場無料。今月12日まで。展示作品は販売も行う。

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