那覇で「もののつづき」写真展-活版印刷の道具に宿る「記憶」とらえる

「サンキ印刷」より受け継いだ活版印刷の道具をとらえた作品17点を展示するほか、活版器材の一部や写真集も展示販売する

「サンキ印刷」より受け継いだ活版印刷の道具をとらえた作品17点を展示するほか、活版器材の一部や写真集も展示販売する

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 那覇・首里の写真用品専門店「オリエンタルホビー」(那覇市首里大中町1、TEL 050-3077-5135)店内のギャラリーで10月11日より、写真家・大沼ショージさんの写真集「もののつづき」の出版を記念した巡回写真展が行われている。

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 大沼さんは1970(昭和45)年、神奈川県横須賀生まれ。鎌倉考古学研究所の遺跡発掘団員として働く。その後、フリーカメラマンに。写真集「民族」(河出書房新社)や日本全国の銭湯風景をまとめた「二十世紀銭湯写真集」(DANぼ)の出版をはじめ、ドイツの靴メーカー「ビルケンシュトック」のカタログ撮影を手がけるなど精力的に活動。かつて墨田区にあった小さな活版印刷所「サンキ印刷」の山崎眞男さんとの交流を続けるうちに、職人としての姿や人柄、ものに対する思いに触発され、次第にカメラを向けることになり、「サンキさんの残したカタチ」(活版印刷物)を出版。山崎さんより譲り受けた印刷道具を用いて「活版印刷局凹凸舎(おうとつしゃ)」を主宰する。

 会場には、受け継いだ活版印刷にまつわる道具などを撮りまとめた写真集「もののつづき」から、大沼さん自身が印画紙にプリントしたモノクロ作品17点を展示。そのほか、大沼さんが組んだ版や活版器材の一部を展示、写真集も展示販売する。

 大沼さんは「活版印刷の裏舞台で働いていた道具たちは、今や使い手を失い、かつての形や記憶が溶けつつある中でも、それに宿る記憶は鈍く黒い塊となって今でも強く宿っている。そうした人とものとの深いつながりや、その背景などを少しでも感じてもらえたら」と話す。「沖縄市のcafe Roguii(ロギ)でも14日より開催している。こちらはスペースが広いので、作品は大全紙(508×610ミリ)にプリントした。印象が違うと思うので見比べてもらえたら」とも。

 開催時間は12時~19時。入場無料。今月23日まで(18日除く)。沖縄市のcafe Roguiiでも今月25日まで、写真展を開催している。

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