那覇で写真展「地図にない村」-写真家・大城弘明さんの作品195点展示

1970年代に撮影した作品をメーンに家族写真や伝統行事、集落の人々の暮らしをはじめ、ガマ(洞窟や鍾乳洞)や防空壕、遺骨、不発弾、慰霊祭、平和闘争、コザ騒動、基地や米軍の兵士の姿など多彩な作品が並ぶ

1970年代に撮影した作品をメーンに家族写真や伝統行事、集落の人々の暮らしをはじめ、ガマ(洞窟や鍾乳洞)や防空壕、遺骨、不発弾、慰霊祭、平和闘争、コザ騒動、基地や米軍の兵士の姿など多彩な作品が並ぶ

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 沖縄県立博物館・美術館県民ギャラリーで7月6日、写真家・大城弘明さんの個展「地図にない村~沖縄戦から65年~」が始まった。

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 題名の三和村は、沖縄戦で壊滅的な被害を受けた沖縄本島南部の喜屋武、真壁、摩文仁の3村が合併し永遠の平和を願い「三和村」が1946(昭和21)年4月に誕生。15年後の1961(昭和36)年、糸満、兼城、高嶺、三和の1町3村が合併し新たに糸満町が誕生したことで「三和村」の名称は地図から消えたという。

 1950(昭和25)年三和村福地で生まれた大城さんは、村で育つ中で実際に見て、聞いて、感じた「戦争の体験」を1970(昭和45)年ごろから写真に収め始めた。作品は1970年代に撮影した作品をメーンにモノクロ作品195点を展示する。大城さんが高校生時代に撮影したという家族や親戚の写真、伝統行事、福地集落の人々の暮らしをはじめ、ガマ(洞窟や鍾乳洞)や防空壕、遺骨、一家全滅の家、不発弾、慰霊祭、平和闘争、コザ騒動、基地や米軍の兵士の姿など、沖縄の戦後の1シーンをとらえた作品が多彩に並ぶ。

 大城さんは「タイトルの『地図にない村』は一つのシンボルとして使い、サブタイトルの『沖縄戦から65年』に思いを込めた」とし、「今年3月に定年退職し、写真展と写真集の出版を考えていた。写真集ももうすぐ出版の予定」と話す。

 「60歳以上の人は、懐かしいとか、よく覚えているなどの共感を呼ぶが、下の世代、その次の世代にはなかなか伝わらない。戦後65年も立っているのに沖縄に基地があり米軍が居座っている。作品を通して、何か感じてもらえたら」とも。

 開催時間は9時~18時(金曜・土曜は20時まで)。入場無料。今月11日まで。

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