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那覇市歴史博物館で企画展-昭和初期に活躍した写真家「〓宮城昇」特集

那覇歴史博物館に寄贈された〓宮城昇の作品の中から日本映画女優第1号として知られる花柳はるみさんの肖像写真、フォトモンタージュ技法を使った自画写真をはじめ関係資料などを展示

那覇歴史博物館に寄贈された〓宮城昇の作品の中から日本映画女優第1号として知られる花柳はるみさんの肖像写真、フォトモンタージュ技法を使った自画写真をはじめ関係資料などを展示

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 那覇歴史博物館(那覇市久茂地1、TEL 098-869-5266)で3月4日、企画展「戦前の被写体 ~〓宮城(ぐしみやぎ)昇の写した世界~ 埋もれていた昭和モダン」が始まった。〓は双の下に牛。

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 〓宮城昇(1906~1945)は那覇の旧家出身の写真家。〓宮城家と母の実家である福地家は、琉球王朝時代に那覇士族が就ける最高職「御物城(おものぐすく)」を輩出した名家。素封家の家で育った昇は、県立第二中学校卒業後、東京写真学校(現東京工芸大学)で本格的に写真を学ぶ。1928(昭和3)年、那覇・上之蔵で写真館「昇スタヂオ」を開業。営業写真のほか、昭和初期の沖縄の人物や風景を撮影する一方、芸術的な写真も手がけた。

 初公開となる今回の展示では、同館に寄贈された〓宮城昇の撮影写真や関連資料を展示。「第1章 昇、写真家以前 〓宮城家の肖像と昇の写真帖」「第2章 昇、最初の上京から帰郷まで」「第3章 昇、帰郷『昇スタジオ』開設」に分け、当時の沖縄の写真業界の状況や〓宮城昇の知られざる生涯や被写体についても紹介する。日本映画女優第1号として知られる花柳はるみさんの肖像写真、戦前に活躍した舞踏家・崔承喜(さいしょうき)舞踊団の集合写真、フォトモンタージュ技法を使った自画写真など多彩な内容。

 同館学芸員の志村絵里奈さんは「東京で写真技術の習得の傍ら、さまざまな写真家たちとともに写真表現を追求した。〓宮城昇は、その結婚が新聞記事になるほどの人物で、沖縄の写真会にも多大な影響を与えた。昭和初期の時代に写真を芸術として捉え追求していた人が、沖縄にいたことを皆さんにぜひ知ってほしい」とし、「写真家の山田實さんは、子どものころ〓宮城昇に写真を撮ってもらったことがあるという。そんな縁で講座をお願いした。当事者ならではの面白い話が聞けると思うので、講座にも参加してもらえたら」と来場を呼びかける。

 開館時間は10時~19時。入館料は、大人=300円、大学・高校生=200円、中学生以下=100円。木曜休館。4月20日まで。今月26日写真家・山田實さんによるギャラリー講座「〓宮城昇の生きた時代」、今月12日・4月9日「学芸員によるギャラリートーク」を共に14時から予定。受講には入館料が必要。

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