沖縄芸大で「紅型型紙をよむ」展-「鎌倉芳太郎」収集資料から80点を展示

鎌倉芳太郎収集資料の紅型型紙1,414点、古紅型裂(きれ)627枚の中から約80点を初公開

鎌倉芳太郎収集資料の紅型型紙1,414点、古紅型裂(きれ)627枚の中から約80点を初公開

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 沖縄県立芸術大学(那覇市首里当蔵町1)の附属図書・芸術資料館で10月29日、同大附属図書・芸術資料館企画展「紅型型紙をよむ -鎌倉芳太郎の1414枚-」が始まった。

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 同大が所蔵する鎌倉芳太郎収集資料の中から紅型型紙を中心に、2007年に鎌倉家より新たに寄贈された資料(484点)の中から紅型関係資料約80点を展示する。資料はすべて初公開となる。

 展示では、1797年に作られた紅型型紙をはじめ、型紙とその型紙で制作したと思われる古い紅型の裂(きれ)も並べて展示するほか、下絵のある型紙や3枚重ねて型を彫っている途中で作業を中断したもの、赤外線カメラを使い型紙に秘められた情報を紹介するなど展示方法を工夫した。そのほか、新資料の中から風呂敷の図案帖「沢岻家文様図案帖」、貝摺奉行(かいずりぶぎょう、漆工芸師や木工職人、絵師などを管理統括する組織で、寺社や建造物の装飾、工芸品の図案制作なども手がけた)の絵師が描いた実寸大の紅型下絵の写真など、貴重な史料を多数展示する。

 同大芸術資料館担当学芸員の山田葉子さんは「寄贈された資料を約20年にわたって丹念に整理、調査・研究した結果、型紙にさまざまな情報が含まれていることが分かってきた。赤外線を使って肉眼では見えない情報を読み取ることにも成功した」とし、「今回の展示は紅型型紙1,414枚の一部だが、紅型の世界は広く深い。展示物の一部から想像を広げてもらえたら」と話す。

 鎌倉芳太郎(1898~1983年)は、大正末から昭和初期にかけて「琉球芸術調査」を行い、尚王家ゆかりの宝物をはじめ、建築、絵画、彫刻、工芸品などの貴重な文化財を数多く調査し資料を収集。その中には数千点に及ぶ紅型に関する資料も含まれていた。戦後、焦土と化した沖縄の惨状を知った鎌倉氏は、沖縄文化の復興を願い、自身が保管していた資料を同大開学に際し写真資料・文書資料などを4回にわたり寄贈している。

 開場時間は10時~17時。入場無料。11月8日まで。最終日14時より、同大附属研究所共同研究員の平田美奈子さんが資料解説「鎌倉芳太郎紅型資料について」を開く予定。

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