那覇・壺屋やちむん通り会が1月30日、壺屋焼の職人や店主などが絵を手掛けた無料の「貸傘サービス」を始めた。
壺屋やちむん通りの活性化の一貫として昨年から準備を進めていたが、今回、うりずん横町の新里会長から100本近くの傘の提供があり実現に至ったという。
「昨年11月に行った壺屋やちむん通り祭りの際、新里会長が属する那覇市中心商店街連合会が開発した肉みそ約500個を仕入れて祭りで販売したが、傘はそのお返しという気持ちもあったと聞いている」と同会の高江洲若菜さん。
当初、提供された傘をそのまま使おうと思っていた高江洲さんだったが、活性化事業の協力者から「傘に絵を描いては」というアイデアを受け、「職人さんにも描いてもらっては」と話が盛り上がり、通り会全体が協力して絵を描くことになった。
「考えてみたら私たち壺屋焼は『線彫り』といって絵付けではなく、絵を描くという線彫りの技法を得意としており、魚紋や唐草、伝統文様などいろいろある。職人だけでなく、絵を描くのが好きな店主、売り子さんにも描いてもらった。そしたら皆さん、想像以上に上手で、そして楽しく描いてくれた」と高江洲さん。
「お客さまが雨の日でも通りを歩けるように。そんな小さな思いを声にしたことが、いろいろな方の協力を得て、そして傘に壺屋を描くという楽しく新しい形が生まれた。雨の日は、アーケードのある中心商店街で、そしてその先にある壺屋のやちむん通りへ。散策を楽しんでもらえたら」と期待を寄せる。