那覇・首里の写真用品専門店「オリエンタルホビー」(那覇市首里大中町1、TEL 050-3077-5135)店内ギャラリーで10月20日より、写真家・とみやまよしのりさんがコレクションするオリジナルプリント作品の「オリジナルプリントの楽しみ展」が開催されている。同様の展覧会は沖縄では初めて。
オリジナルプリントは、写真家自身または専門のプリントマンが写真家の意図を組みプリントした作品のことで、欧米では美術品として流通して収集対象としてもポピュラー。作家によっては発行数を限定し、ナンバリングやサインをすることで価値を高めている。
作品は、北米の著名な写真家のオリジナルプリントを中心に展示。とみやまさんのアリゾナの風景を写した作品をはじめ、アメリカ・ヨセミテ渓谷のモノクローム写真で有名なアンセル・アダムス、カルバン・クラインの広告写真で評判となったブルース・ウェーバー、食物をオブジェにした作品で知られ国際的な写真作家として活躍する今道子さん、花やヌードをフレソンプリントという特殊なカラープリント法で作品を発表したジェラルド・S・アッカーマンのほか、シンディー・シャーマン、アメリカの重要な写真家の1人といわれるポール・カポニグロ、マイケル・ケンナ、ラリー・クラーク、ジョエル・マイロウィッツ、バーバラ・キャステン、トム・ビアンキ、デュアン・マイケルズなど著名な写真家の作品が並ぶ。
そのほか、約140年前のダゲレオタイプ(銀板写真)、ティンタイプ(湿板写真)の写真も展示するほか、各写真家の写真集も用意した。
とみやまさんは「ネガがあれば同じ写真が何枚も作れると考えている人がほとんどだと思うが、実際にはそんなことはない。写真家は1枚のオリジナルプリントを独自の感性と技術を持って苦労して作り上げている。今回の作品展示を機会にオリジナルプリントのことを少しでも知ってもらえたら」と話す。
とみやまさんは1953年、茨城県生まれ。アリゾナと沖縄を撮影した作品を発表している。写真集には「SABOTENMAN」「沖縄ビーチ大全」(共に洋泉社)、「SPICE PICNIC」(オークラ出版)など。
開催時間は12時~18時。入場無料。今月30日まで。会期中無休。