清朝最後の皇帝・溥儀を伯父に持つ画家「王昭」さん、那覇の2会場で個展

ギャラリーアトスでは美しい色彩の白百合をはじめ、ダイナミックなタッチの富士山のほか、海江田万里さん編「悠久大陸を往く! 水彩画で楽しむ漢詩紀行」の挿し絵として描いた原画も展示

ギャラリーアトスでは美しい色彩の白百合をはじめ、ダイナミックなタッチの富士山のほか、海江田万里さん編「悠久大陸を往く! 水彩画で楽しむ漢詩紀行」の挿し絵として描いた原画も展示

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 沖縄県立博物館・美術館(那覇市おもろまち3、TEL 098-941-8200)特別展示室と画廊「ギャラリーアトス」(前島3、TEL 098-863-9510)の2会場で、清朝最後の皇帝・溥儀を伯父に持つ画家・王昭さんの沖縄で初めての個展が行われている。

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 王さんは、1950年中国北京生まれ。父は中国伝統の水墨画の大家、母は宮廷画に秀でた清朝最後の皇帝・溥儀の妹にあたる。幼少から父母に水墨画や宮廷画を学ぶ。18歳に文化大革命のあおりを受け約10年間に渡り過酷な肉体労働を課せられたが、その後解放され北京に戻るとたちまち画才を評価され北京画院会員に推挙される。1982年、最愛の母の死を契機に来日。東京芸術大学の平山郁夫研究室で日本画を学んだ。後に、墨に日本画の代表的な絵具の岩絵具をのせる技法で中国水墨画と現代日本画を融合した「東洋画」を確立する。

 アトスの会場には、中国水墨画の力強さと大胆な構図、そして美しい色彩感覚にあふれた白百合をはじめ、ダイナミックなタッチの富士山、中国水墨画で縁起がいいと言われる牛、フクロウ、コイなどの動物の作品のほか、海江田万里さん編「悠久大陸を往く! 水彩画で楽しむ漢詩紀行」の挿し絵として描いた歴代王朝の代表的な風物や景色の原画も展示する。

 同展を企画した同ギャラリー代表の長嶺豊さんは「沖縄県立博物館・美術館では王さんの大作をメーンに展示しているほか、ご両親の作品、溥儀の弟で書家の溥傑の書、写真なども展示する。中国からさまざまな文化を吸収してきた沖縄の若い芸術家たちに、技法や構図など学ぶところも多いと思うのでぜひご覧ください」と来場を呼びかける。

 アトスでの開催時間は10時~19時(最終日は17時)。今月20日まで(8日・15日は休廊)。作品は販売も行う。沖縄県立博物館・美術館での開催時間は9時~18時(金曜・土曜は20時まで)。入場料は、一般=500円、高校・大学生=300円、小中学生=100円。今月28日まで。

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