那覇歴史博物館(那覇市久茂地1、TEL 098-869-5266)と那覇市立壺屋焼物博物館(壺屋1、TEL 098-862-3761)で5月14日、合同企画展「那覇の壊滅と壷屋からの復興」が始まった。両館の合同展は初めて。
沖縄本土復帰記念日(5月15日)、慰霊の日(6月23日)を迎える5月・6月の企画展として歴史博物館は戦前の那覇の様子から10・10空襲や那覇地域の地上戦をメーンに、写真パネルや多数の歴史資料で紹介。一方、壺屋焼物博物館は戦中から戦後を中心に、陶器製造を通して壺屋から始まった那覇の復興の様子を紹介する。
歴史博物館は、1945(昭和20)年2月に米軍によってつくられた縦2メートル×横1.5メートルの多色刷り沖縄本島地図をはじめ、錆びた日本軍の銃器、戦時中の服装、砲弾などで作られた生活用具などを展示する。壺屋焼物博物館では、同館近くで出土した10・10空襲の際にできた砲弾跡を埋めるために使われた初展示となる陶器や、戦後壺屋で初めて製作された陶器など貴重な資料が並ぶ。
歴史博物館学芸員の外間政明さんは「2つの博物館を見てもらい、それぞれが得意とする展示物を通して平和を考えるきっかけになれば」と話す。壺屋焼物博物館学芸員の赤嶺由紀子さんは「子どもたちにぜひ見てほしいと思い解説もやさしく表現した。沖縄の悲惨な歴史ではあるが、沖縄の人たちの明るさやたくましさを、陶器を通して感じてもらえたら」とも。
開催時間は、那覇歴史博物館=10時~19時。入館料は大人=300円、大学・高校生=200円、中学生以下=100円。木曜休館。壺屋焼物博物館=10時~18時。入館料は大人=315円、大学・高校生=210円、中学生以下=105円。月曜休館。ともに6月30日まで。