那覇で「女子学徒たちのウムイ展」-戦争体験の記憶継承テーマに

戦争体験を語り継ぐ活動を続ける「青春を語る会」の活動の様子や、戦中の貴重な史料などを展示する

戦争体験を語り継ぐ活動を続ける「青春を語る会」の活動の様子や、戦中の貴重な史料などを展示する

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 那覇市民ギャラリー(那覇市久茂地1)で8月9日、展示会「那覇市制施行90周年記念事業 女子学徒たちのウムイ展 ~次世代への記憶の継承~」が始まり、連日多くの見学者が訪れている。

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同展は、「青春を語る会(沖縄戦を語り継ぐ元女子学徒有志の会)」と5年間にわたり沖縄の戦争体験者の聞き取りを行ってきた広島経済大学が共催で開く。「ウムイ」は沖縄方言で「思い」を意味する。

 次世代への戦争体験の記憶継承をテーマにする同展。1945(昭和20)年、沖縄県内には9つの女子学徒隊があり看護要員として戦場へ動員された女子学徒たちの多くが戦争の犠牲となった。そこで生き残った女子学徒有志は「青春を語る会」を結成し、その経験を語り継ぐ活動を展開している。

 会場には、沖縄の戦跡で元女子学徒隊員たちの証言を聴く活動を続けている広島経済大学の岡本貞雄ゼミナールとその活動に同行した写真家・田中正文さんの記録写真36点をはじめ、女子学徒たちの9つの母校や撤退の軌跡をパネルで紹介、もんぺや卒業証書、卒業アルバム、校章などの遺品を展示する。

 そのほか、「岡本ゼミ」への参加の様子を学生自らでまとめたDVD冊子「いのちをみつめる叢書 オキナワを歩く I~IV」(ノンブル社)のDVD上映、戦争体験を語る元女子学徒たちと平和学習参加者との間で交わされた書簡の展示、感想文コーナー、折り紙コーナーなど設ける。広島経済大学から学生2人が参加している。

 事務局のいのうえちずさんは「戦後66年目を迎え戦争体験の風化が叫ばれているが、戦争体験者の平和への強い思いは若い人たちにも受け継がれている。毎日日替わりで元女子学徒の人たちが常駐しているので、彼女たちと気軽にお話しして何か感じてもらえたら」と話す。

 開催時間は10時~19時(最終日は17時まで)。入場無料。今月14日まで。

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