那覇で「琉球古典焼」展-県外から里帰りした作品200点を展示

県外から集められた琉球古典焼の壺や花器、酒器、飾り皿など約200点を展示するほか、1920年代に描かれた図柄帳などの貴重な資料も公開する

県外から集められた琉球古典焼の壺や花器、酒器、飾り皿など約200点を展示するほか、1920年代に描かれた図柄帳などの貴重な資料も公開する

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 リウボウホール(那覇市久茂地1、TEL 098-86701171)で4月22日より、「郷帰りした逸品 琉球古典焼」が行われている。沖縄独自の伝統の継承と再生・発展を目指す季刊誌「ちゃんぷる~」(沖縄市中央)が企画した。

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 琉球古典焼は、今から100年前(明治末期)に奈良県から寄留してきた黒田庄二郎(理平庵)と4人の子どもたちが壺屋の陶工らに焼かせたもので、県外に20万個以上移出され不況下で苦しんでいた陶工らの生活を支えたが、20年たらずで幕を閉じたという。1938年に来県した民芸運動家の柳宗悦に「下手物(げてもの)」と批判されるなど評価は低かったが、琉球古典焼のもたらしたエジプト文様や技法は引き継がれており、最近になって再評価されつつある。

 会場には、県外から集められた琉球古典焼の壺や花器、酒器、飾り皿など約200点を展示するほか、1920年代に描かれた図柄帳などの貴重な資料も公開する。ゾウや熱帯植物など南洋風のエキゾチックな図柄に朱や緑などの大胆な色使い、掻(か)き落としや盛付などさまざまな技法を駆使した作品が並び、展示作品の一部は販売も行う。

 展示会について、今井編集長は「琉球古典焼は魅力的で特異な文化財産であるにもかかわらず、実態がはっきりしないまま現在に至っており沖縄県にとって大きな文化損失」とし、「昨年の12月に3年間を費やし制作した『琉球古典焼』を発刊した。これを好機に展示会を行いたいと日本全国のギャラリーや愛好家を訪ね交渉を重ねやっと開催にこぎ着けた。滅多に見ることができないので、里帰りした琉球古典焼をぜひ見てほしい」と、来場を呼びかけている。

閲覧時間は10時~20時30分(最終日は17時まで)。入場無料。4月28日まで。同26・27日14時から今井編集長のトークショーも行われる。

ちゃんぷる~

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