那覇市歴史博物館(那覇市久茂地1、TEL 098-869-5266)の企画展示コーナーで8月15日より、平成19年度新収蔵品展「比嘉清眞写真展~ハジチのある風景~」が開かれている。
「ハジチ(針突)」は、沖縄で明治末まで行われた女性の深青色の入れ墨のことで、指や甲、ひじにかけて12~13歳から施し、既婚者の印でもあったという。模様は、○、□、×、矢印、菱形などの幾何学模様で構成され時代や身分によって模様が異なり、厄除けや守護のまじないなどの意味が込められた。野蛮な風俗として1899年に禁止令が出されたが、ハジチに対する執着は強く地方では昭和初期までみられたという。
同展では、比嘉さんが同館に寄贈したモノクロ紙焼き58枚のうち1970年代後半から80年代前半に撮影した35点を展示する。白髪を束ねるハジチが施された手、白い産着の赤ちゃんを抱く姿など、沖縄の各地域のハジチを施した老女たちの何気ない日常風景を切り取った温かみのある写真が並ぶ。そのほか、ハジチのデザインのスケッチ、ハジチ禁止を伝える新聞、関連書籍なども展示する。
展示時間は10時~19時。木曜休館。入館料は、一般=300円、中高生=200円、中学生以下=100円。10月1日まで。図録集(300円)も販売する。